呼吸の浅い、深いを自分でコントロールする
入るを量りて出ずるを為す (いるをはかりていずるをなす)
って諺がありますが、
これはお金に限った話ではありません。
そう、自分の体についても言えることです。
呼吸、飲食、あるいは知識にしてもそうかもしれません。
私は、こと呼吸に関して数十年意識して生きてきました。
なのでこれを当てはめてみると、
「しっかりと息を吸って、しっかりと吐き出す」
呼吸の浅い深いはこのプロセスで測(量)ることができます。
呼吸を測(量)ると、自分に適した呼吸のしかたが自然と備わるようになります。
それを私たちは基礎呼吸と言っています。
呼吸の基礎はやはり、自分で意識して呼吸することです。
それをやらないから、「呼吸が浅い」という問題が生じます。
呼吸が浅い人の特徴は、第一に意識的な呼吸をしていないことです。
意識的に呼吸を測(量)ることで、体内の酸素量を認識できます。
体は、充分な酸素供給が行われているサインを意識に戻してくれるのです。
つまり、酸素の充填が行えている実感や自信が、健康を後押しし、意識を明るくさせ、行動に機敏さをもたらします。
呼吸が浅いと、
体が重い、
生活にハリがない、
やる気が起きない、
視界がぼやけている(狭い)、
イライラする事が多い、
不満が多い、
躁鬱・・・
などなど、心身に与える影響は、ストレス要因ばかりになります。
なぜそうなるかというと、まず体の循環機能が低下します。
細胞に必要な酸素量が不足しているので、それを補うためにあの手この手を使って、酸素を補給しようとするわけですね。
これはほんとに不自然な酸素補給状態なので、体感的には上記のような不調な気分が続くことになります。
体内の不自然な動きが、意識、そして思考を曇らせてしまいます。
実際に、意識して呼吸し、酸素を充分に与えている自覚が強くなると、目に見えて体調が回復するという事例はいくらでもあります。
病院へ行ってもなかなか治らない、薬を飲んでもあまり効き目がないという場合、基本的に酸素が不足している傾向にあるはずです。
意外と知らない呼吸と水分の関係
第二に、意識的な呼吸の次は水分補給です。
これも測(量)ることを意識してください。
飲んだら排泄されます。
季節、気温、体調などでその量は変化します。
酸素を全身に運搬する役割をはたすのが赤血球です。
水分が不足すると、血液循環は停滞しはじめて、スムーズな酸素供給が行なえません。
ひと頃、血液がサラサラ、ドロドロなんていう話題がよくありました。
血液がドロドロなんていうのは、基本的には水分が足りないだけの話ですからね。
何かを食べたら血液がサラサラになるとかいう商品宣伝とかもありましたが、水をこまめに飲むだけで十分です。
また1日2リットル飲むとかいうのも、真に受けてたら、自分の体の必要量を知ることができなくなります。
もしかしたら、それ以上必要かもしれないし、それ以下で充分かもしれません。
つまり、自分の体の求めに応じる心構えが、いずれ必要を満たしてゆくのです。
これから発汗量の多くなる夏場は、2リットルでは足りないかもしれません。
冬場になれば、体を温める飲み物でかなり補給できるし、心配なら少しずつ水を飲むくらいで充分です。
意識的な呼吸、あるいは水分補給にしても、自分の体と対話することを常に意識することです。
体との対話は言葉ではできませんが、観察によって情報を集めることができます。
あなた独自の情報は、あなたの健康への自信につながる重要な知識、知恵になってゆきます。
意識的な呼吸への第一歩
感謝呼吸で言えば、基礎呼吸の知識をここに当てはめてください。
自分の呼吸を最適化させることで、必要な酸素、必要な水分、しっかり息を吐ききること、リズミカルな動きで呼吸するなど、自分に必要なことがわかるようになります。
初心者の方なら、「息を吐ききること」を心がけてください。
吐ききることで、その都度プロセスがリセットされます。
息を吐ききった状態は、肉体的にも精神的にもマッサラな状態を作っているのです。
観察してみてください。
息を吐ききった状態では、ネガティブな意識も、ポジティブな意識も、感じにくいはずです。
そこから何を体に入れるのか、自分で選択することができます。
特に呼吸が浅い人は、この吐き切りの動作だけでも手に入れてください。
意識的な呼吸への第一歩は、息を吐ききる、ということなのです。