栃木県日光市。
言わずとしれた世界遺産の地です。
その奥に進んでゆきますと中禅寺湖があり、
さらに奥にゆきますと、湯の湖があります。
ここに夏の早朝、足を運ぶことがあります。
まだ明けきらない朝のひんやりとした雰囲気のなかの、
静かな湖面をながめにゆくのです。
湖畔の公園のベンチに腰かけて、
ぼんやりと静かな湖面を見ていると、
しだいに心が収束されてゆき、
ふだんの慌ただしい思考から解放されるような安堵感があります。
静かな心は、
自然の美しさを眺めることからもつちかわれてゆくんだな、
とそのたびに感じます。
都会での生活においても、たまには喧曝から離れてみて、
じっくりと自然と接する機会を持ってみると、
何かを私たちに伝えてくれているような気がします。
逆に風情ある田園や山聞の地、
あるいは海を望めるような美しい町で過ごしていると、
そのありがたみが当然のことのようになって、
自然からのメッセージを見逃しがちになります。
そんなときひと呼吸おいて、360度を見渡してみることも大事ですね。
いつも見ている風景だけではないということが発見できて、
見慣れた風景も新鮮に見えてきます。
私たちは地球の上で暮らしています。
地球も宇宙の一員として、大きな摂理の中で活動しています。
地球はおそらく、私たちの想像を絶する寸分違わぬリズムのなかで、
時を刻んできたことでしょう。
その揺るがない意志を感じることは、
人生を歩んでゆく上でとても大切なことのように感じます。
また、それを感じることができる心のゆとりを、
時には持ってみたいものです。