睡眠のための呼吸リズム、ということで、最後に「眠りゆくリズム」をご紹介します。
眠りに入るとき、ある一定の条件下で睡眠状態に入ってゆくことが分かります。
横になる、くつろぐ、疲れる、あれこれ考えない、うとうとする、など。
そして、自然と呼吸が整うことが最後になります。
眠るために呼吸を整えることは、ふだんまずないでしょう。
誰でも眠ることを目的に布団に入り、たいていはすんなりと眠ることができるはずです。
それは、思考の邪魔が入らないからです。
いろいろな平生の問題がよぎったところで、明日でもあさってでも解決できるようなことなら、問題視するようなことは無いはずです。
あるいは、よほどの楽しみが控えていても、いつかしら眠っている。
それがふつうの状態ではないかと思います。
ただ、思考がある程度の興奮状態を喚起するような場合、眠ることに難を感じてしまいます。
さまざまな問題、それが自分にどんな影響を及ぼすか、いろいろ考えてしまう。
すると意識が冴えてきます。
そこから眠ろう眠ろうとすると、かえって眠れなくなるものですから、ストレスを感じてしまいます。
こういう場合に備えて、自分の眠るためのリズムを把握しておくことは、非常に役に立ち、効率的に睡眠へと誘ってくれます。
「眠れるイメージ」をお話しましたが、同様に眠りゆくリズムも存在します。
また、眠れる呼吸リズムを自覚すること。
これを意識的に習慣化させることで、睡眠に対して自信が得られます。
また少々の寒暖の差で睡眠を阻害されることも少なくなるでしょう。
まず仰向けになり、体をリラックスさせることからはじめます。
最初顔の緊張を解きほぐします。
一日さまざまな表情を作った顔の筋肉も、緊張状態が抜けていません。
手で頬をほぐしたり、口を開けたり閉じたりします。
そして、柔らかな微笑をつくります。
微笑をつくることで、歯に圧力がかかることが防げますし、リラックス感が増幅されます。
足は負担のない腰幅程度に開きます。
手も軽く腹上に置くか、伸ばします。
次に呼吸です。
まずはふだんの基礎呼吸の要領です。
呼気のときに、吐き出す息ともに「心身の緊張が吐き出されてゆく」ことを思い、そして感じてゆきます。
慣れれば1分もかからずに、全身がリラックスしている感覚になります。
そして、鼻呼吸で、リズムの調整をしてみてください。
そうしているうちに、知らない問に眠ってゆきます。
こういう試みが数日続くと、自分の睡眠の形が明確に分かつてきます。
また、目覚めが格段に良くなってくることが自覚できるはずです。