実践の手びき

感謝を分かち合う

誰かの感じている感謝の気持ちは、自分の感謝の気持ちや感情につながります。

そんな観察をしながら生活するのが、感謝の日常化のコツです。

感謝呼吸の生活が長くなると、人の言ってる感謝の言葉に敏感になっていることがわかります。

ついつい耳をそばだてて、「どういうことに感謝してるんだろう?」とか、「へえ~そんなことに感謝しているのか」など、それぞれの感謝の形を発見できることに喜びを感じます。

さらに、そういう人たちとの連帯感まで生まれるようにもなります。

感謝していることで仲間意識が生まれ、古い友人のような懐かしさまで感じることもあります。

類は友を呼ぶと言いますが、感謝の多い人にはそういった人が目につくようになります。

 

感謝の持つ波動は、心地のよいものです。

停滞感を溶かさせてしまう力を持っています。

感謝の心が日常化するということは、感謝の思考傾向が増すということです。

そういった蓄積がないと、「発酵」しません。

途切れ途切れに感謝の心が湧くことは誰にでもあります。

感謝を意識する、心がける人はあまりいません。

ふとした善意に反応するくらいではないでしょうか。

積極的にものごとを感謝の価値観で見つめる方は希です。

たとえば、毎日の仕事に慣れてしまうと、新鮮さが薄れて、忙しさに埋もれてゆきます。

ある程度予想できる一日を考えるだけでも、疲れたりします。

しかし感謝の価値観があると、仕事や人間関係の中で、どれだけありがたいことがあるのか、とワクワクしてきます。

しかも、感謝は自分から発信できるので、いくらでも自分に向かって還ってきます。

強い幸せの予感を感じながら、日々の生活に臨めるようになります。

はっきりと循環が確立されることを「発酵」と考えます。

発酵した感謝の価値観は、永続性のある感謝の傾向をもたらしてくれます。

そして感謝は、利他の実践の礎になっていることが解ると思います。

人に対する利益を図るのは、非常に狭い意味での利他の考え方です。

利他というのはまず、偏見を正すことから始まります。

これがないとアンバランスな思考になります。

誰かには手を尽くして、誰かは相手にしない、この原因は偏見です。

悪意はないにしても無意織に人を判断してしまう。

善意の解釈ができると、誤解も消えてゆくようになります。

利他の実践は、感謝呼吸生活にも強く影響します。

感謝呼吸は感謝の感情を深く自覚させてくれます。

さらに利他によって感謝は外に向かい、感謝の価値観を信念に高めてくれます。

人々の素朴な笑顔とともに、幸福感の高まりという形で自覚できるようになります。

私たちの利他は「感謝を分かち合う」こと、素直な心であればとても簡単な実践です。

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