自分に対して正直であること。
これがどれほど大切か。
正直が大事だ、と幼い頃から誰も聞かされてきたことでしょう。
ではなんで正直が大事なのでしょうか?
これを教えてくれた人は幸運です。
正直でいることの価値がわかるからです。
自己への本当の影響となると、経験の浅い子どもには想像がつかないこともあります。
深く掘り下げたことまで教えるには、尚早と判断されるのでしょう。
教育するほうに、そういった観念が薄いことも多いのです。
それは自己への偽りが及ぼす心理的な影響です。
言い換えれば、精神の力学と言えましょう。
人間関係の中で見栄や虚栄心のために、飾った言動や振る舞いをしているとします。
本当の自分ではない不自然な思いと行いすることになります。
それが徹底され、自然な習慣に昇華していれば、それが真実になります。
しかし普通は耐えきれなくなって、偽りを露呈する結果になるのです。
正直さというのは、ふだんの自分を偽らないことです。
ふだんの自分を偽ってなければ、あるがままを人に見てもらえばいいだけです。
とても楽だし、精神的な不要な労働もしなくてすみます。
逆はどうでしょう?
必要以上に自分を卑下していると、自信を喪失することになります。
注意しなければならないのは、それを控え目な人柄とか謙虚さと勘遣いしないことです。
ネガティブさに苦しむということは、それが本来の自分ではないことを端的に示しています。
これもある意味、自分を偽っているのです。
人に期待されないでいるのは、気分的に楽なことかもしれません。
人の評価を気にしない、という決断なら納得してます。
でも普通は逃げたい気持ちから、楽な方へと流れているだけです。
自分の精神の要求が、今の自分から上昇したくなる理由です。
その相克が悩みの実態です。
そうすると、ふだんの自分を少しずつ高めてゆく努力が、自分の理想(一時的にでも背伸びした自分)に近づけてゆくことになります。
背伸びするような緊張も、悩み込むような卑下も必要の無いことです。
自然なありのままの自分でいられます。
以前にも言ったように、人間の心はほどよくチューニングされることが望ましいのです。