人が横になると、脳は睡眠するという指示を受け取ります。
しかし、眠ろうと努力するようだと、意識が冴えてくるという逆転現象が生じます。
これが不眠の発生原因です。
昨日の記事で、眠るときは自然とリズムが安定化している、ということをお伝えしました
不眠から抜け出すために、リズムを意識することが大事であるとお伝えしています。
ただ、日常的な思考が、睡眠時にネガティブなイメージで現れてくると、意識がそちらに集中してしまいます。
ネガティブさとは、バランスを欠いた状態です。
ですから言葉としてはポジティブの否定形のほうが分かりやすい。
たとえば消極的と言うよりは、非積極的と言うように。
そんなイメージが湧いてくると、心のバランスが乱れて、リズムを欠いてくるようになります。
ここで2つのイメージの比較をしてみます。
1 母親が赤ちゃんを優しいまなざしで見つめて抱いている姿。
2 泣く子を虐待している母親の姿。
じっくりとイメージしてみてください。
1の場合、ほのぼのしていて、見る人を安心させます。
しかし2の場合、非常にとげとげしく痛々しい光景です。
見るイメージによって、心への影響がハッキリ分かるはずです。
ことに2の場合、悲しみ、怒り、不安、疑問など、さまざまな悪感情に直結します。
ここから呼吸リズムはガタガタに崩れてゆくことになります。
眠る時に描くイメージが、どういうものが適しているか、見えてきませんか?
それを描くことによって、より安定するイメージであるほどよいわけです。
それが呼吸のリズムをも安定させます。
イメージの性質は、千差万別です。
歩んだ人生の総合的なイメージが、常に描き出されています。
子どものイメージ、大人のイメージも遣いがありますね。
さらに傾向を持つイメージが、人を先導していることに間違いありません。
どんな状況でも幸せなイメージを描ける人は、不幸の影が忍びよれません。
こう言うと「あの人は、突然不幸がやってきたじゃないか! 」という人もいますね。
気持ちが分かりますが、あなたもそれをお望みですか?
そんな心性の背景には、信じることを怖れる気持ちが強く、幸せであっても何か裏があるのではないか?と疑ってしまうのです。
やがて潜在意識の中にある悪いイメージを具体化することになります。
こんな迷路から脱出するには、日々のささやかな幸福感を成長させてゆくしかありません。
生きていること、笑顔でいられること、食べられること、健康であるということ、最低限の生活はできているということ・・・・
このようなことにありがたみが湧かないで、進歩は望めません。
日常的なイメージの改善が進むと、睡眠に明確に反映されてきます。
また、感謝の心は、呼吸の性質まで変えてきます。
感謝が根づくと、ゆったりと安定的な気分を感じていられます。
呼吸自体が変化しているからなのです。
不眠の体験は人間的成長を著しく促します。
それを克服することで、心の成長を強く実感できる。
その経験が、思考力を鍛えているわけです。
ただ、長引かせる性質でないことも確かです。
心の管理の仕方で簡単に解決することでもあるからです。