呼吸は、吸気と呼気のバランスで成り立ちます。
吸う息、吐く息、人体にはどちらも欠かせないものです。
このバランスが、人の性格や行動に影響を与えていることに気づいている人は少ないかもしれません。
たとえば、
呼気の長さが、感情の調節ねじであることが分かってくると、冷静さが格段に増してくるようになります。
いわゆる浅い呼吸とは、その呼気が短いためにアップテンポな呼吸です。
この場合、興奮状態を非常に喚起しやすくなります。
とくに女性の場合、肉体的にも精神的にも感情に直結しやすい構造です。
なので、呼気の調節能力があると、日常の落し穴にはまりにくくなるでしょう。
ある女性はかつて、自分の感情のコントロールができなくて、ヒステリックになることに非常に苦しんでいました。
心を落ち着けようと自分に言い聞かせても、不満になることが次から次へと自分に向かってきているように感じていたのです。
なかぱ被害妄想にもなっていたんですね。
家族、特にご主人は非協力な人間だと決めつけていました。
子どもたちはわがままだし、義父母も無理解な人たちだと感じていたのです。
この女性の心を救ったのは、呼気のコントロール法を学んだことです。
呼吸が感情に及ぼしている影響を知ったことは、彼女に新しい認識をもたらしました。
特にヒステリ一気味になってくると、呼吸が異様に小刻みになっていました。
さらにはどうしようもないジレンマから、ため息ばかりついていたとも言います。
感謝呼吸を学びだしてはじめて、呼吸にリズムと性質があるということを知りました。
こういう場合、明らかに「知識は力」になります。
彼女にゆったりとした呼吸リズムが習慣付いてくると、以前に比べ、考えがネガティブに向かいかける頻度は目に見えて少なくなってきたのです。
そのリズムを基にして感謝息が実践される頃には、ヒステリーの芽は完全に摘まれていました。
目に見えている世界がまるで変わってきたと言っています。
彼女はその後、自己分析ができるようになりました。
呼吸は大きな分析材料になったのです。
自分があまりに完全を求めすぎていて、家族にまで同調を求めていた、と振り返ってます。
自分の願いが満たされないことが、悪感情の原因だったのです。
やがて、自分の在り方を自分で決めることに成功すると、それを維持継続することだけに意識を集中しはじめたのです。
感謝している状態を知り、それをとても気に入りました。
彼女は、自分を変えるためにあちこち出かけなくても、自分を見つめることで、しっかり変われることを確信しているのです。