感謝呼吸の基礎となる、文字通り基礎呼吸という作法があります。
そのコンセプトは、現在ただいまの肉体にとって、最も適した呼吸をする、ということです。
私たち生物的存在にとって、呼吸は最低限の活動です。
食事よりも呼吸こそが重要であるにもかかわらず、無意識に行われるため、かなり軽視してしまいます。
不食でも生き生きとしている人々がいます。
おそらく、数百年生き続けている人も、地球上には存在しているでしょう。
食べものがなければ死ぬ、というのは、そう思い込んでいるだけのことかもしれません。
まあ、私もさすがに食べなくては体力がもたないので、食べますよ。
ただ、朝昼晩というサイクルで食べることはなくなりました。
体が求めている時に提供する、という感覚での食事です。
そういう態度に至ったのは、基礎呼吸のおかげと言えます。
体の求めに応じた呼吸をすることで、体の求めに応じた食事をする発想になりました。
この経験によって、人間は食べなくても生きていけるように作られているのではないか、と考えるようになったのです。
話を戻しましょう。
基礎呼吸は、しだいに変化して行きます。
最適な呼吸は、無意識の呼吸生活をしていたころに溜めた無駄な細胞を排出させて、より楽で簡単に必要を満たそうとしはじめます。
体型によっては、呼吸することさえひと仕事になるような方もおいででしょう。
また、病気にかかる原因の一つに、呼吸の乱れがあります。
風邪は万病のもと、と言ったりします。
呼吸がコントロールできるようになると、風邪が呼吸の乱れによるものだという実感は深まります。
体が冷えてくると、体内の免疫活動も不活発になりますが、ある程度まで呼吸で回復させることも可能なのです。
あなたの体が必要としている呼吸水準に、つねに適応させていることです。
この状態に達すると、肉体からの反応が意識に伝わりやすくなるのです。
肉体も喜びをもっています。
肉体が、「やっと見つけてくれた!」という喜びの反応を感じ取ることができるのです。
ここに至ると、人生が一新されたような、まったく違った人生が開けたような感覚に打たれるでしょう。
肉体が自分の親友になったように感じ、これまで以上に親密で繊細な関係になるはずです。
呼吸の観察を始めてください。
そして、自分に最も適した呼吸があることを理解して、常にそれを探ってみるのです。
必ず、あなた自身の呼吸が見つかります。
その呼吸は、無意識の呼吸にまで高めることが可能になるのです。