理解する、理解できるということは、もともと知っていたことを思い出した、ということです。
あるいは、気づき、気がつくといったことも、思い出したことに対する感動です。
記憶とは過去にしか置いていないと考えがちなのですが、未来の記憶を引き出している可能性が高いのです。
未来の記憶などというと、起きてもないことをどう記憶するのか、という話になります。
ですが、私たちの体験は、肉体的な体験にとどまらず、意識の世界でもさまざまな体験をしていることはわかりますよね?
たとえば、眠れば「夢」を見ます。
夢の世界でも意識活動があることはボンヤリとでも感じられると思います。
するとそれが記憶に残ります。
さらに、脳が処理できないレベルの意識活動もあります。
と言うより、脳をすり抜けて、そのまま感情に響く。
現実には過去も未来もない、今という永遠の瞬間しか存在せず、過去とか未来とか名付けられた『今』の記憶を思い出しているのです。
デジャブ(既視感)を体験したことがあると思います。
それもすでに自分が持っている記憶に符合した瞬間の体感です。
自分は既にそれを知っている、体感したことがある。
不思議なことにそれを知っているわけです。
つまり、過去や未来という括りがなくなれば、簡単に説明がつく現象です。
私たち人間の感覚は、とても興味深い働き方をします、本当に。