呼吸がひらくとはどういうことか?〜まず“閉じていた”ことに気づく〜
あなたの呼吸は、いま、ちゃんと“ひらいて”いますか?
こう聞かれても、ピンとこないかもしれません。
なぜなら多くの人は、呼吸が「閉じている」状態にすら気づいていないからです。
緊張や不安、疲れ、我慢、無意識の防御反応——
私たちは日々のなかで、呼吸を小さく、浅く、そして硬くしてしまっています。
でも、そこに気づいた瞬間から、何かが変わり始めます。
「あ、今まで私は、こんなふうに息を止めて生きてきたんだ」
その気づきが、「ひらく呼吸」への最初の一歩です。
今回は、“呼吸がひらく”とはどういうことか、その意味と体感をひも解いていきます。
呼吸は“自動”だけれど、“無意識”ではない
呼吸は、生まれてから今まで一度も止まることなく続いています。
だからこそ、私たちはそのありがたさにも、
その変化にも、気づかずに過ごしてしまうのかもしれません。
でも実は、呼吸はその日の体調、気分、姿勢、ストレス、思考のクセ——
あらゆる“わたし”の状態を映し出す、正直な鏡のような存在です。
まず、そのことに気づくことが「ひらく呼吸」の出発点です。
「閉じた呼吸」の正体とは?
では、「呼吸が閉じている」とはどんな状態なのでしょうか?
たとえば──
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肩が上がったまま、息が浅い
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胸やお腹があまり動いていない
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無意識に息を止めている時間がある
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吸いやすいけど、吐きづらい(またはその逆)
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深呼吸しようとすると、かえって苦しくなる
これらはすべて、呼吸が本来の自由さを失い、「閉じている」サインです。
呼吸は、本来もっと滑らかで、広がりがあり、気持ちいいものです。
なのにそれを感じられないのは、身体や心が無意識に“守りの姿勢”をとっているからです。
ひらくとは、まず“閉じていた”ことに気づくこと
「ひらいた呼吸をしたい」と思ったら、最初にすることは、
深呼吸ではなく、「いまの呼吸に気づいてあげること」。
静かに目を閉じて、
- 自分の息がどこまで入ってきて、どこから出ていっているか。
- 吸った空気が、どこまで届いているのか?
- 吐くとき、どんな音や感覚があるのか?
ただ“見つめる”だけで、呼吸は少しずつ、ひらき始めます。
まとめ:「ひらく」とは、あるがままに“戻っていく”こと
呼吸をひらくとは、
新しい呼吸をつくることでも、テクニックを加えることでもありません。
むしろ、「本来の自分に戻ること」。
呼吸に、“元の広がり”と“自然な流れ”を取り戻していくことです。
そしてその先には、必ず「ありがとう」が息に宿る瞬間が待っています。
呼吸をひらくことで、自分の内側と深くつながり、
感情も体も自然と整っていく——
そんな「感謝呼吸の本質」を、じっくり学び、体験できる場があります。
「感謝呼吸マスター講座」では、
-
呼吸の質を変える“感覚”の育て方
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を体系的に学びながら、自分だけの“ひらいた呼吸”を取り戻していきます。
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コラム:呼吸が閉じてしまったのは、あなたのせいじゃない】
呼吸が浅くなっていた。
息が詰まっていた。
そんなふうに気づいたとしても、どうか自分を責めないでください。
それはあなたのせいではありません。
むしろ、この社会や教育、暮らしのあり方の未熟さが、息をひらく場を奪ってきたのです。
特に日本は、この30年ほどのあいだに、
失われた経済成長、終わらない不安、積み重なる災害やパンデミック——
そんな「閉塞の時代」をずっと生きてきました。
未来が見えにくい社会の中で、
私たちは知らず知らずのうちに「我慢」や「適応」で乗り切るしかなく、
息をひらくどころか、息を殺して生きるような日々が続いてしまっていたのです。
呼吸は、本来もっと自由で、静かで、喜びに満ちたもの。
でも、その感覚を取り戻す機会すら、与えられてこなかったのかもしれません。
だからこそ、
これからの時代に大切なのは、“呼吸をひらく”文化を取り戻すことです。
それは、自分自身のためでもあり、
これから生まれてくる子どもたちのためでもあります。
あなたが今、もう一度自分の呼吸に目を向けることで、
その優しい循環が、家族や子ども、仲間、社会へと伝わっていきます。
どうかまず、
あなたの呼吸が、あなた自身にとって安心できる居場所になりますように。
そして、あなたが自分に向けたそのまなざしを、
次の世代にも手渡していけますように。
「深く呼吸できる社会」を、あなたから始めましょう。
♪やわらかな光につつまれて