「いい人でいなきゃ」と無意識に思い続けて・・演じる自分(仮面)がいることにやっと気づく
気づけば、呼吸が浅くなっていた。
人に優しくしよう。
空気を読もう。
波風を立てずに生きよう。
──そんなふうにして、
たくさんの人が「いい人」であることを
無意識に選んできました。
けれど、
いい人でいることは、
いつしか自分を苦しめる“仮面”にもなります。
✔ 頼まれごとを断れない
✔ 感情を飲み込み続けてしまう
✔ いつも相手を優先し、自分のことは後回し
✔ 笑っていても、どこか疲れている
そんな日々を繰り返すうちに、
体が重くなり、心がこわばり、
気づけば「息がしづらい」日常になっていた──
この連載では、
「いい人をやめる」ことが
“わがまま”でも“冷たいこと”でもなく、
自分を守り、取り戻し、
そしてほんとうに優しく生きる道だということを
感謝呼吸を通じて一緒に見つけていきます。
■ 自分をすり減らす優しさから、満ちて与える優しさへ
■ 疲れる関係から、呼吸が深くなる関係へ
■ 仮面の笑顔から、本音の微笑みへ
「いい人、やめました。」
この言葉を、
あなた自身の人生を自由にする
はじまりの合図にしてみませんか?
このシリーズはこんな方におすすめです:
- 人間関係に疲れている
- 自分ばかりが我慢している気がする
- 頼まれると断れない
- 他人の期待に応えすぎてしまう
- 「自分らしく生きたい」のに、どうすればいいかわからない
読み終えたとき、
あなたの呼吸が少しだけ深くなっていたなら──
それが、何よりうれしい変化です。
呼吸にあらわれる人間関係のサイン
あの人と話すとき・・・
知らないうちに「息を止めている」ことがありませんか?
呼吸は、とても正直です。
言葉よりも、頭の理解よりも先に、身体が真実を教えてくれることがあります。
たとえば──
- 会話中に、息を浅くしていた
- 相手の前で、ふっとため息が出た
- 胸がぎゅっと縮こまっている感じがした
- なんとなく呼吸が乱れている気がした
それは、身体が出しているサインかもしれません。
「この関係、ちょっと無理してるよ」
「もう、がんばらなくていいよ」
そんなふうに、あなたにそっと教えてくれているのです。
呼吸からわかる人間関係のサイン(3つの視点)
1. 呼吸が浅くなる人
→ 緊張、気づかい、相手に合わせすぎている状態
- 体がこわばってくる
- 息を吐けないまま話している
- 話すたびに、疲れてしまう
→ この関係は、「合わせすぎ」のサイン。
2. 呼吸が乱れる人
→ 相手の言動にペースを乱されている状態
- 話しながら、呼吸が早くなる
- 相手のテンションに飲まれそうになる
- 心拍数が上がる感じがする
→ この関係は、「境界が曖昧」になっているサイン。
3. 呼吸が止まる人
→ 言葉が出ない、息が詰まるような感じ
- 本音が言えない
- 反論すると空気が悪くなりそうで黙る
- いつも気を張っている
→ この関係は、「自分を失いかけている」サイン。
判断のしかた:呼吸を“センサー”にする
呼吸は、無意識の自分からのメッセージです。
相手との関係が「合っているか/合っていないか」を判断するいちばんシンプルで確かな方法になります。
以下のような問いかけで、ぜひ日常の中で自分の呼吸に耳を澄ませてみてください:
✅ 自分に問いかけるチェックリスト
- この人と話しているとき、私は呼吸が深い?浅い?
- 会ったあと、私は元気になってる?消耗してる?
- 息を吐けていたか?
- 呼吸のリズムは、自分のままだったか?相手に引っ張られていなかったか?
こうして自分の呼吸に気づけるようになると、
「疲れる関係」と「心地いい関係」の違いが、はっきりと見えてきます。
無理に誰かを変えようとする必要はありません。
ただ、自分の呼吸に戻ってくるだけでいいのです。
まとめ
「いい人でいよう」とするあまり、
自分の呼吸さえ失っていたなら──
これからは、
呼吸がしやすい人間関係を選ぶ勇気を持ってみませんか?
あなたの呼吸が、
あなたにぴったりの距離感を、いつも教えてくれています。
次回は、「なぜ“あの人”といると、どっと疲れるのか?」というテーマに進み、
さらに身体・脳・神経レベルの消耗と関係性の見直し方を深めていきます。
コラム:あなたを乱してしまう人は、じつは「呼吸軸が硬い」
人間関係のなかで、
なぜか自分のペースを崩されてしまう人がいます。
声が大きいわけでもない。
怒っているわけでもない。
でも、一緒にいると呼吸がしにくくなる──
そんな相手の正体は、
「呼吸軸が硬い人」かもしれません。
呼吸軸が硬いというのは、深い意味で“安定していない”状態です。
それは、呼吸が浅く速く、
内側に不安や自己防衛があり、
だからこそ他者を支配しようとする力に変わる。
一見、芯があるように見えて、
その実、とてももろくて、揺れやすいのです。
一方で、呼吸軸が安定している人は違います。
しなやかで、深くて、ゆるぎない。
他者をコントロールせず、
でもなぜか、場が穏やかになっていくような空気を持っています。
それは、呼吸の質が、調和を生むからです。
だから、あなたが誰かに乱されているとき、
「相手が強いからだ」と思わなくていいのです。
ただ、あなたがまだ
自分の呼吸軸を整える途上にいるというだけ。
呼吸軸が育っていくほどに、
どんな人と出会っても、
あなたの空気は揺らがなくなっていきます。
そして、相手の硬ささえ、やわらいでいくことがあります。
あなたの呼吸が整うことは、
ただあなたのためだけでなく──
関係全体の調和へとつながっていく。
それが、呼吸のもつ力なのです。