新しい時代 — 分かれる世界の中で、あなたはどちらを生きますか?

はじめに:いま、あなたはどこに立っているか

私たちはいま、“変化”ではなく“転換”の時代にいます。
社会の構造も、働き方も、価値観も、人と人の関係も、目に見えないところで大きく揺らいでいます。

テクノロジーが進化し、便利になった反面、
「じゃあ自分は、何のために、どう生きたいのか?」
その問いだけが、ますます重く、深く、個人に戻ってきています。

そんな時代において、いま必要なのは、
誰かが創る未来”を待つことではなく、

自分の呼吸と感性で生きる未来”を思い出すことかもしれません。


第1章:分岐の時代にいる私たち

私たちはいま、文明の歴史の中でも稀に見る、
急激な“分岐”のただ中にいます。

それは、単なる技術革新や経済の変化ではなく、
一人ひとりの「在り方」そのものが問われる時代です。

テクノロジーは私たちの生活を大きく変えました。
AIが文章を書き、会話をし、画像を生成し、
日々の意思決定すら支援してくれる時代になりました。

便利さと引き換えに、
私たちは“選ぶ力” “感じる力” “立ち止まる力”を少しずつ手放し始めています。

ニュースは速すぎて追いきれず、
SNSでは誰かの意見が次々と流れ、
「自分の意志」よりも「流れに乗ること」の方が楽に思えてしまう。

そんな日常の中で、
無自覚のまま、誰かの設計した“快適な人生”に乗っていく人々が増えています。

しかし、いま、私たちは明確な岐路に立っています。

  • テクノロジーに“使われる側”でいるのか
  • テクノロジーと“共創する側”へと向かうのか
  • あるいは、そのどちらからも距離を取り、自分自身の内側に静かに目を向けるのか

選択肢は、あります。

「どの未来に行くか」は、誰かが決めることではなく、
私たち一人ひとりが、毎日の意識と行動で選び取っていくことができるのです。

あなたは、どの未来を選びますか?
そして、それを“自分の足で”選んでいますか?


第2章:未来の二極化 〜 テクノロジーの光と影

私たちの生活のなかで、すでにAIやロボティクス、バイオテクノロジー、VR/ARといった最先端技術が静かに浸透し始めています。

スマートフォン一つで、学び・仕事・買い物・出会い・娯楽のすべてが完結する世界。
AIが自動で文章を書き、スケジュールを管理し、パートナーや友人の代わりさえも“演じる”時代は、もう目前です。

このような技術がさらに進化すれば、人類は「選ばなくても済む」「感じなくても済む」「考えなくても済む」生き方を選ぶことも可能になります。

すでに、chatGPTなどの生成AIは人間の発想や言語処理を超える勢いで発展しており、企業や教育機関、医療現場でも意思決定の一部を担い始めています。
Neuralinkをはじめとした脳とコンピューターを直接つなぐBCI(ブレイン・コンピューター・インターフェース)も現実味を帯び、思考そのものが“接続可能なデータ”になる未来も視野に入ってきました。
また、量子金融や自動化経済のプラットフォームも構築されつつあり、「生きること」の構造自体が大きく書き換えられようとしています。

それは、快適さの絶頂でありながら、感性や直感、自律性といった“人間としての核”が少しずつ消えていく道かもしれません。

一方で、それらのテクノロジーを「人間の創造性を引き出す道具」として活用する人々も現れ始めています。
AIと対話しながら、新しい思想やアートを生み出す。身体や呼吸の感覚に敏感でいながら、先端技術と共鳴する。
そんな「共創する未来」も、確かに存在しています。

未来は「便利になるか」ではなく、
「どんな私でいたいか」によってまったく別の風景を見せるのです。

そして、もうひとつ。

量子コンピューターが現実的な技術として社会に稼働し始めると、私たちの世界はさらに“最適化”と“効率化”を極めていくでしょう。
意思決定、医療、経済、教育、そして人間の意識のあり方までもが、量子的な計算によって最短ルートで導かれるようになる未来です。

一見するとそれは、夢のように滑らかな社会です。
けれども、もしそのときまでに、私たちが“自分で感じ、選び、考える力”を失っていたとしたら?

量子コンピューターがもたらすアップデートが、
一度進んだら後戻りのできない「取り返しのつかない変化」となる可能性もあるのです。

だからこそ今、私たちは選ばなければなりません。
この技術の波にただ乗るのか、それとも意識的に共鳴し、新しい人間性を育てていくのか。

未来は、いまここでの“選ぶという行為”から始まっています。

まるで、ハンドルのない車に乗っているような未来。
移動はスムーズで、風景も美しいけれど、
どこに向かっているのか、誰が運転しているのかがわからない——。

その未来を、誰かに任せるのか。
それとも、自分の感性と意識で“舵を取る”未来にしていくのか。

あなたの選択が、その違いを生み出します。


第3章:本当に大切なものは、呼吸の中にあった

テクノロジーが加速度的に進化し、私たちの暮らしがあらゆる面で効率化される中で、
“本当に大切なもの”が見えにくくなってはいないでしょうか?

立ち止まることなくスクロールし、
考えるよりも反応し、
感じる前に通知音に動かされる日常。

そんな毎日の中で、
「自分が今、どんな呼吸をしているか」に気づける瞬間はどれほどあるでしょう。

冷えた手足、落ち着かない思考、浅い眠り、誰にも話せない不安。
それらは、体と心からのメッセージかもしれません。

私たちは、いつから“生きる実感”よりも“うまくやること”を優先するようになったのでしょうか。

 

情報より、空気を。
成功より、感性を。

忘れられてきたものたちが、
これからの時代の鍵になります。

その中心にあるのが、
呼吸・身体・感謝・静けさ。

たとえば、朝、目覚めたとき。
ひと呼吸、深く息を吸って、「ありがとう」と心で唱えてみる。

それだけで、世界の見え方がふっと変わる瞬間があります。

感謝呼吸は、それらを思い出すための静かな扉です。


第4章:覚醒とは、“気づきの呼吸”である

覚醒とは、どこか遠くに行くことではありません。

今この瞬間、自分の中に流れている命に気づき、
その呼吸に「ありがとう」と声をかけられるようになることです。

それは、まるで霧の中を歩いていた人が、
ふと立ち止まり、自分の手の温もりに気づくような感覚。

「わたしは、わたしに戻っていいんだ」
そんな内なる許可が、じんわりと広がっていくような目覚めです。

ある人は、深い呼吸の最中に涙を流します。
それは感情ではなく、“存在がほどけていく”瞬間かもしれません。

あなたにとって、“覚醒”とは何でしょう?

それは特別な能力の獲得ではなく、
眠っていた感性が、静かに息を吹き返すことかもしれません。

感謝呼吸は、“方法”ではなく“道”です。

誰かに教えられるのではなく、
自分の中で見つけていく、静かな革命です。

目を閉じて、耳を澄まし、ただひと呼吸。
それが、あなたの覚醒の入り口かもしれません。


第5章:新しい時代は、あなたと共に始まる

もし、私たちがこのまま何も選ばず、何も感じず、
外から与えられた未来にただ身を委ねていったとしたら——。

それは、見た目には便利で快適で、何不自由ないかのように見えるかもしれません。
けれど、そのなかで、私たちは次第に“誰でもない存在”になっていく可能性があります。

思考は代替され、感情は最適化され、呼吸までもが管理される。
そのとき、私たちは“生きている実感”を取り戻せるのでしょうか?

——わたしは、そうは思いません。

わたしは、自分で選びたい。
わたしは、感じながら生きたい。
わたしは、この手で未来を育てたい。

たとえ少し不器用でも、誰かに遅れていても、
自分の内なる声と感性を信じて、選び取りながら生きる人でありたい。

そしてその姿こそが、次の時代の風景を少しずつ変えていくと、信じています。

新しい時代は、どこかからやってくるものではありません。

それは、あなたが今日どんな呼吸を選ぶか、
どんな言葉を発し、どんな意識で生きるかによって、
少しずつ姿を現すものです。

そして私は、あなたがその一歩を踏み出すことを、
同じ時代を生きるひとりとして、心から信じ、願っています。

新しい時代は、あなたと共に、あなたの中から始まります。

 

感謝呼吸実践会 造田修作