Q&Aインタビュー

「呼吸は、いのちの声を聴くこと──感謝呼吸という、生き方の選択」
インタビュアー:イイジマさん(38才・女性)


① はじめに:あなたは、息を“吸えて”いますか?

インタビュアー(以下 I):
造田さん、今日は「感謝呼吸」という言葉の奥にあるものを、じっくり伺っていけたらと思っています。
最初にひとつ、率直な質問をさせてください。

──私たちは毎日、何万回と呼吸していますよね。
でも、造田さんのいう「感謝呼吸」とは、ふつうの呼吸と何が違うんでしょうか?

造田(以下 S):
はい、それはとても大切な問いです。
まず前提として、多くの人は「生きるために呼吸している」と思っています。
でも実は、“呼吸は、命からの預かりもの”なんです。

感謝呼吸とは、「自分が息をしている」のではなく、
「息をさせてもらっている」という感覚に気づく呼吸です。


② 感謝呼吸は、“呼吸の再教育”ではなく、“いのちとの再会”

I:
「預かっている」という感覚…なんだか、じーんときますね。
でもそれって、単なる“深呼吸”や“リラクゼーション”とも違いますよね?

S:
そうですね。
感謝呼吸は、技術でもパフォーマンスでもなく、“感性の目覚め”なんです。
ただ吸って吐くだけ。でもその中に、“ありがとう”という気配を通わせる。

だからまあ、無理に整えようとする必要もない。
あるがままの自分で、いまここで生きていることに気づく。
それだけで、心の内側がふわっとほどけていくんです。


③ なぜ「ありがとう」を呼吸に重ねるのか?

I:
それにしても「感謝」という言葉を呼吸と組み合わせたのが印象的です。
なぜ、感謝だったのでしょう?

S:
それは…与えることの本質に関係しています。

感謝というのは、“受け取った”ことへの反応のように思われがちですが、
本当は、「与える存在であることを思い出すプロセス」なんです。

私たちは、与える存在として生きるようにできている。
でも、それを思い出すためには、まず“自分がすでに満たされている”ことに気づかないといけない。

その“満たされている”感覚を、
最も簡単に思い出せるのが、実は「呼吸」なんです。


④ 「深い呼吸」は、自己信頼の力になる

I:
最近、特に40代の女性たちから「呼吸が浅い」「朝起きた瞬間から疲れている」といった声をよく聞きます。
これは単なる年齢の問題でしょうか?

S:
いえ、それは「いのちの声を無視してきた時間の長さ」の現れかもしれません。

とくに女性は、社会や家庭の中で“自分を後回しにすること”が多くて、
「感じる力」「受け取る力」が眠ってしまっていることがある。

感謝呼吸は、自分を信じる力を取り戻すための“静かな訓練”でもあります。
たったひと呼吸でもいい。「ありがとう」と思いながら、自分を感じてみる。
その積み重ねが、やがて“自分という存在”への信頼に変わっていきます。


⑤ 感謝呼吸を続けると、人生はどう変わる?

I:
呼吸を通して自分と再会していくような、そんな感覚が伝わってきます。
実際、感謝呼吸を続けていると、どんな変化が起きるのでしょうか?

S:
いちばん多いのは、「自然に受け取れるようになった」という声ですね。
愛も、時間も、お金も、褒め言葉さえも…
受け取れなかったものが、すっと入ってくるようになる。

呼吸って、“吸う=受け取る”  “吐く=与える”という命のサイクルそのものなんです。
そのリズムが整えば、生き方も自然と変わっていきます。

I:
うわあー、吸うことと吐くことで、そんな意味を持たせられるんですね。
呼吸って奥が深いですね。超簡単な引き寄せの法則!みたいな。

S:
そう、意識して呼吸することで、いろんな知恵がそこに加えられるようになる。
これだけじゃないですよ、いろんな選択肢があって楽しいと思いませんか?

I:
はい!それ絶対、ふだんから取り入れてみます!


⑥ 実は、あなたももう感謝呼吸をしてきた

S:
実はね……
あなたも、人生のいろんな場面で、すでに感謝呼吸をしていたんですよ。

たとえば、
疲れてベンチに座って、ふと空を見上げたとき──
無意識に深く息を吸って、何かが静かにほどけたような、あの瞬間。

誰かのやさしさに触れて、
ことばにできない「ありがとう」が、吐く息と一緒に出ていったような場面。

つらい出来事のあと、
“でも私は、まだ生きてる”と感じて、静かに涙を流した夜。

そういうとき、あなたはもう、感謝呼吸の扉を開いていたんです。


⑦ 最後に、今ここにいるあなたへ

S:
だから、無理に“新しい何か”を始めなくてもいいんです。
ただ、思い出してみてください。

あなたの中には、すでに与える力も、受け取る力もある。
それを思い出すだけで、呼吸は変わり、人生が静かに動き出します。

そして──

「かつて、ある女性が感謝呼吸を体験して、静かに涙を流したことがあります。
あなたは、その涙の意味がわかりますか?」

それは、あなたの中にもある涙かもしれません。

今日、この瞬間から、
あなたの呼吸に、ほんの少しの「ありがとう」が重なっていきますように。(了)