時のレッスン

時計が進んでも、心がついてこない日~“時間の密度”を呼吸で変える

時計が進んでも、心がついてこない日~“時間の密度”を呼吸で変える

時計の針は進んでいるのに、自分だけが置いていかれている気がする。

そんな感覚にとらわれたことはありませんか?

「やることはたくさんあるのに、なぜか手につかない」

「気づけば一日が終わっている」
そんな日々が続くと、時間そのものに対して、無力感や罪悪感すら覚えてしまうことも。

でも、もしかしたらそれは、あなたの「時間感覚」が、ほんの少しだけずれているだけなのかもしれません。

この記事では、呼吸をととのえることで「時間の密度」を変える、そんな不思議な感覚についてお話しします。
誰もが持っている“心の時計”を、少しだけ巻き戻し、整えてみましょう。

「やることはあるのに、なぜか動けない」

ToDoリストはいっぱい。
時計の針は進んでいる。
でも自分だけが、どこか遠くに取り残されたような感覚。

そんな日、ありませんか?

何かをしなきゃと思っているのに、
頭も身体も、まるで「時間」とずれている。

この状態をそのまま放っておくと、
“やらなきゃいけないこと”が“自分を責める材料”になっていきます。

 

実は「ズレていた」のは、時間ではなく“心のリズム”

時間が足りないと感じるとき、
わたしたちはしばしば「もっと速く動こう」とします。

でも、そのスピード感に心が追いついていない。
つまり、時間の進み方と、心のペースにズレがあるのです。

焦って動いても、満足感がない。
一日を終えても、「自分が生きていた感じ」がしない。

それは、「時間に同調できていない」サインかもしれません。

 

呼吸で“心の時計”をととのえる3ステップ

  1. イスに腰掛け、背すじをゆるめる
  2. 4秒吸って、6秒吐く呼吸を5セット
    (吸うとき:「心に風を通す」 吐くとき:「空気に流れをまかせる」)
  3. 最後に、時計の音や周囲の音に1分だけ耳を澄ませる

こうして呼吸を「今この時間」に結びつけると、
外の時間と、内側の時間が重なってくる感覚が育ちます。


【まとめ】“心の密度”が整えば、時間はゆっくりと流れはじめる

焦って生きるより、整えて生きる方が、
結果的にずっと豊かな時間が流れます。

呼吸によって「いま」に戻る。
それは、時計を巻き戻すことではなく、
「自分の時間を、取り戻すこと」。

今日から少しずつ、
「時間の密度」を変える呼吸を、暮らしの中に。

ありがとうございます。
それでは「時のレッスン⑦」のコラムをお届けします。
本文のテーマ「時間の密度」に対応し、
コラムでは“なぜ呼吸が時間感覚に作用するのか”を神経系と体感の観点から掘り下げます。


📝 コラム|“時間の体感”は、神経系でつくられている

「時間が早く感じる日」と「ゆっくり感じる日」。
何が違うのでしょうか?

予定の量や、時計のスピードが違うわけではありませんよね。
実はこの“時間の体感”を生んでいるのは、
自律神経のバランスと、脳の知覚の状態なのです。

 

交感神経が優位になると、時間が「加速」する

  • 忙しい
  • 緊張している
  • マルチタスク中

こんなとき、交感神経が活発になり、
脳は処理速度を上げようと“焦りモード”に入ります。
結果、時間が早く進んでいるように感じ、
「もうこんな時間!?」という感覚になるのです。

 

呼吸が整うと、副交感神経が優位になり「今」に戻れる

深い呼吸、特に感謝呼吸のように丁寧に行う呼吸は、
副交感神経にスイッチを入れます。

そうすると、脳波が落ち着き、
「今」という時間の情報を正しく受け取れるようになるのです。

つまり、時間が“密”になる感覚が戻ってくる。

この状態では、たとえ同じ1時間でも、
ずっと充実していて、自分が生きていた感覚が残るようになります。

 

忙しさに追われるのではなく、「密度」を選べる人になる

時間は変えられない。
でも、“時間の密度”は、呼吸で変えられる。

それを知っているだけで、
人生はずっと静かで、深く、そしてしなやかなものになります。

呼吸は、“心の時計”の針をととのえるリズム。
外の時間と仲直りしたいとき、
そっと一呼吸、戻ってきてください。

 

-時のレッスン