
【解体:第1回】「良かれ」と思って吸う深呼吸が、あなたを疲れさせている?
こんにちは。私は医師ではありません。ですが、数十年という長い月日、自分自身の「呼吸」という現象を、飽きることなく眺め、実験し続けてきた観察者です。
今日は、世の中で「体に良い」と信じられている深呼吸の意外な落とし穴について、私の観察ノートを広げてみたいと思います。
「大きく吸う」ほど、細胞は酸欠になる?
疲れを感じた時、私たちはつい「酸素をたくさん取り込もう」と、一生懸命に空気を吸い込みがちです。しかし、私の観察によれば、無理に吸い込むほど体は重くなり、細胞の輝きは失われていきます。
大切なのは、吸うことよりも、むしろ「丁寧に吐き切ること」に意識を向けることです。
肺の中のものを空っぽにするつもりで吐いていく。すると、肉体は次に何をすべきかをちゃんと知っています。わざわざ「止めよう」とか「吸おう」なんて力まなくても、必要な「間(ま)」は体が勝手に作ってくれる。そんな、肉体の知性に任せる感覚が、実は一番自然で心地よいのです。
「吐き切る」ことで火が灯る、細胞の発電所
研究者が言うところの細胞内の発電所、「ミトコンドリア」。彼らを最高に効率よく働かせるスイッチも、実はこの「吐き切る意識」の先にあります。
ちょっとした専門用語の答え合わせ:ボア効果
血液中の酸素を細胞に渡すためには、仲介役である「二酸化炭素(CO2)」が欠かせないという理論です。
皮肉なことに、吸いすぎるとこのCO2が逃げてしまい、酸素が細胞に届かなくなります。
私の観察の中で、しっかり吐き切ることを意識した瞬間に体温が上がり、活力が湧いてくるのを感じるのは、まさにこの「ボア効果」によって、ミトコンドリアへ酸素がスムーズに届けられた証拠なのでしょう。
私が「発電所が喜んでいるな」と感じる体感と、彼らの言う「ATP(エネルギー)の生成」という言葉が、実に見事に符合するのです。
感謝呼吸:管理とは「丁寧に、委ねる」こと
感謝呼吸が提案する管理とは、あれこれと肉体に命令を下すことではありません。
「丁寧に吐き切る」という入り口だけを意識して、あとは体が刻むリズムを信頼することです。
頑張って吸い込むのをやめ、吐き切る心地よさを味わう。
それだけで、あなたの細胞たちは勝手に元気を取り戻し、エネルギーを紡ぎ出してくれますよ。
次回の予告:体内の「水」をどう流すか?
さて、呼吸でエネルギーの火が灯ったら、次はそれを全身に届ける「物流」の話です。
次回は、「冷えやむくみを、呼吸というポンプで解決する流体管理」について解体していきましょう。
「吐く」意識が、あなたの体内の水をどう動かしていくのか。どうぞお楽しみに。