「さよなら、いい人」~手放したあとにやってくる人間関係の自由と静けさ
長いあいだ、
「いい人でいなきゃ」と思って生きてきました。
空気を読んで、相手の顔色を見て、
自分よりも周りを優先することが、
“愛される条件”だと信じていたのかもしれません。
でも、呼吸を通して気づいたのです。
ほんとうの私に戻ることを、誰も責めたりしないということに。
そして、そのままの私でいるときこそ、
深くつながれる人と、自然に出会えるのだと。
「いい人」をやめたとき、
私の世界は壊れるどころか、静かにほどけていきました。
今はただ、こう思います。
「ありがとう、さようなら」──そして、はじめまして。
終わらせることが、新しい関係の入口になる
「いい人をやめたら、人間関係がなくなるんじゃないか」
そんな不安を、誰しも一度は感じるかもしれません。
でも実際には、手放してはじめて出会える関係があります。
それは、自分を抑えなくても自然にいられる関係。
気をつかわなくても、穏やかに呼吸できる人たちとのつながりです。
終わりのようで、実ははじまり。
その静かな変化は、呼吸から始まっていました。
呼吸が変わると、関係が自然に変わる
呼吸が整うと、必要以上に人と距離を詰めすぎたり、
逆に壁をつくったりすることが減っていきます。
呼吸が「中庸の感覚」を教えてくれるからです。
以前は「いい人でいなければ」と緊張していた場面でも、
深い呼吸ができていれば、自然と余裕が生まれ、
相手と自分の間に“心地よい間”を保つことができます。
結果として、疲れる関係は自然と遠ざかり、
無理のない関係だけが残っていきます。
これは意識的に断捨離したというより、
呼吸を変えることで、関係性の質が静かに“選別”された結果なのです。
ミニワーク「ありがとう、さようなら」
静かな時間を取り、目を閉じて、自分の呼吸に集中します。
- 吸う息で「私は私でいていい」と心の中でつぶやきます。
- 吐く息で「ありがとう、さようなら」と手放したい誰かを思い浮かべながら、送り出します。
これは実際に“切り離す”というより、
自分の内側の執着や緊張をほどいていくワークです。
このワークをくり返すうちに、
その人に対して不思議とやさしい距離感が生まれていくでしょう。
まとめ:さようなら、そして、はじめまして
「いい人でいよう」としていた自分に、
「ありがとう」と言って手を振るとき、
新しい私との出会いが始まります。
そして、自分に正直でいられる呼吸が整うと、
無理なく自然に、まわりの関係も変わっていきます。
「気をつかわないのに、深くつながれる」
そんな関係が、これから少しずつ増えていくはずです。
最終回の今、あなたに伝えたいのは、
“やめる”ことは終わりではなく、自由の始まりだということ。
さようなら、いい人。
そして、ほんとうのあなたへ──ようこそ。
コラム:呼吸が整うと、引き寄せる人が変わる理由
「いい人をやめたら、孤独になるのでは?」 という声をよく耳にします。
けれど実際には、自分の呼吸が安定してくると、 波長が変わり、
“今のあなた”に共鳴する人と 自然と出会うようになります。
ある受講者の方は、こんなふうに話してくれました。
「自分の呼吸を整えたら、人間関係を無理にがんばることが減って、
気がついたら、ほんとうに居心地のいい人たちに囲まれていたんです」
呼吸が変わると、無理な関係は静かに離れ、 必要な関係は静かに訪れる。
それが、“呼吸でつくる人間関係”の力です。
そしてもうひとつ。
ときに、新しく出会った人が、
かつての人間関係の誰かと「再会」するようなかたちで、
同じ人を、新たな波動へと導くこともあります。
ただし、それはコントロールできるものではなく、
あまり期待しないほうがいいのかもしれません。
それでも、あなたがあなたの呼吸に立ち返り、 整い続けることで、
その人の中に“変わる余地”が芽生えることはあるのです。
呼吸が整った今のあなたには、
もう「いい人」になる必要なんて、どこにもありません。