え~と、5月1日なもので、メーデーのこの日。
1997年の5月1日は、感謝呼吸実践会の10年記念で、主だった実践者5人と池袋のお寿司屋さんで会食をしました。
まあ私たちの活動というのは、いわゆる組織活動なんてやってませんから、それぞれが自由に自分の生き方を謳歌する、楽しむってことで、個人的な報告会みたいなものになったのです。
Aさんの場合、会社経営のかたわら日常的な業務の合間に基礎呼吸の鍛錬をするというのが日課でした。
それまで、呼吸に関しての知識などなくて、都会の煩雑な日常の中で単に生きている、という生活だったそうです。お金儲けや人づきあいなどで、自分を振り返るゆとりもなかった。
そういう人が実践の道に入るというのも不思議な御縁でした。私の指導もこの頃にはいくらか形になっていましたので、マンツーマンでいろんなスタイルを試してもらっていました。
基礎呼吸というのは、その人にあった呼吸を見つけ出し、それを安定的に継続させるためのステップですので、一律に「何秒で吸って、何秒で吐いて」みたいな形式はあまり役に立たないんです。
逆にそれが負担になって、楽しいはずの呼吸リズム獲得が苦しくなるわけです。
そういうことをAさんに初めてあったときに話したら、「造田さん、それ私にも教えてくれませんか?」ってことになったわけです。
そして、まず息を吐ききる習慣を付けましょう、ということになり、おおまかな記録をつけていってもらいました。その時の資料もあります。それを見ると、どうやら本気で取り組んでいるらしく、毎時間アラームを鳴らして、しっかりと息を吐ききるという生活を始められました。
1週間もすると、もう劇的に体調が良くなっていたそうです。
彼の気づきは、自分の身体にどれだけ酸素が足りていなかったか、ということです。
現実に呼吸が大きく深くなっているわけですから、これまでとは比較にならないほどの酸素供給がなされているはずです。その結果を彼から聞いたところによると、「目がスッキリしてきた」「よく見える気がしている」とのことでした。
呼吸しているということを自覚しながら呼吸をすると、身体が呼吸を導き始めます。つまり、身体はどういう呼吸が自分に適しているのか知り尽くしていますので、その導きに従うのが最善なのです。