時がはじまる前のはるか昔、 人々は愛することしか知らなかった。 愛することしか知らなかった人々は、 愛が何なのか、まったく分からなかった。 彼らにとって生きることは、 全てが喜びであり、自由であった。 全ての人々にとって、 彼らの親は一人しかいなかった。 あるとき、彼らの親は子らに尋ねた。 「わが子たちよ、あなた方は愛のみで生きている存在である。愛が何か、あなた方は知っているだろうか?」 子らは、聞き返した。 「愛は、私たちの命ではないでしょうか?」 親はうなずきさらに聞いた。 「あなた方は愛という生命で ...