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一晩が過ぎ、お昼前に
また僕は公園をのぞいてみた。

そこには誰の気配もなくて、

トンちゃんがねぐらにしていた、
公園の隅にある屋根付きの休憩所は、
ひっそりと静かなままだ。

ただ、

ベンチの下には、
段ボールの敷物があり、

その上には薄汚れたビニール袋があった。

その中に透けて見えるのは、
着古しの衣類だろうか。

少し時間は早いかな、と思ったので、
用を片付けて、また来ることにした。

そして夕方、再びそこに行くと、
トンちゃんはニコニコして居たのである。

「こんにちはぁ・・」

と、何やらバツの悪そうな顔をしていた。

もしかしたら、
何とか自分でやってみようと決めたのかな、
と思ったりしたのだが、

「やっかいになってもいいですか?」

と、恥ずかしそうにたずねてきた。

「ああ、そうですか、かまいませんよ」

と僕は返事をした。

「じゃあ、いつからがいいですか?
今日から来るなら、それでもいいです」

「あの~、自転車があるんですが、
積ませてもらってもいいですか?」

前かごが少し変形気味の古い自転車だった。

でも手入れは行き届いていて、
車に載せても汚れることはなさそうだった。

「ああ、これくらいなら大丈夫ですね」

残りは2つのバッグの中に、
トンちゃんの財産?は全て収まっている。

休憩所の段ボールとビニール袋は、
どうやら彼のモノではないらしい。

トンちゃんはあらためて聞いてきた。

「失礼ですが、おたくの
お名前聞いていいですかね?」

そう言えば、
僕は名前すら名乗っていなかった。

「ああ、ソウダと言います」

「ソウダさんね、分かりました。
すんませんがごやっかいになります。」

荷物を積み込んで、僕らは帰宅することにした。

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