ホームレスからの復活①はコチラ

トンちゃんが、ぷかぷかとタバコを吸う姿は、
とても嬉嬉としていた。

「好きなんですよ、これが」

と、持ってるタバコを僕に見せた。

僕は聞いてみた。

「もう、ここでどれくらいいるんですか?」

「そうだねえ、今年の1月からだから、・・10ヶ月」

「1月?・・って、半端じゃない寒さでしょ、ここって?」

「うん、死ぬかと思ったよ、覚悟もしたね」

僕は思わず絶句したが、
それより、これから寒さがきつくなるというのに、

いったいどうするつもりなんだろう?
そう思った。

「どこか行くあてはあるんですか?」

と、白々しく聞いた。
行くあてがあれば、こんなところにはいない・・

「いやあ、なんとか夜露をしのげれば、
なんとかなるんじゃないですかね」

などと、気楽そうに答えているが、
目は少し淋しそうで、訴えるものがあった。

実は僕は、

このトンちゃんがなんとか自立できないか、
心の中で模索していた。

「もしよかったら、うちに来て、手立てを考えますか?」

と聞いてみた。

「ん?うちに来て?・・あんた斡旋屋かい?」

やれやれ、たいていはこういう反応。
これまで何人かの人を手助けしてきたが、

なんともやりきれなくなる一瞬でもある。

「いやいや、何も魂胆はありません。
嫌なら別にかまいませんが・・」

少しの間、トンちゃんは考えていたが、
やはり気持ちが悪いのかもしれない。

わからないではなかった。

「じゃあ、明日また、この近くに来る用があるんで、
そのときまで考えておいてくれたらいいです」

僕はそう言って、その公園を去った。

ホームレスからの復活①はコチラ

この記事が気に入ったら
いいね!しよう